ポルりん

哀れなピエロのポルりんのレビュー・感想・評価

哀れなピエロ(1892年製作の映画)
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世界最初のアニメーション作品という面もあるので仕方のない事だが、キャラクターが何をしようとしているのか、もしくは何をしているのかが非常に分かりにくい為、どういったストーリーなのかも分からなかった。
鑑賞後に本作のあらすじを調べた結果、男女の三角関係を描いたものという事が分かったが、あの映像を観る限りでは正直かなり分かりにくいと思う。

また、キャラクターの設定や性別など色々と不明確な点が多く、貴族の可愛らしい女性は、顔面が陥没した顔面便器にしか見えないし、その顔面便器の恋人は宇宙人もしくは亡霊と化した白鳥のジュン(ガッチャマンの紅一点)にしか見えない。
更に、物語の中盤辺りから登場するライバルのピエロはパジャマを着た「えなりかずき」にしか見えないし、後半にはその「えなりかずき」を白鳥のジュンが剣で刺した後、顔面便器とSEXするよう想像させる描写があるので、本作は世界最初のアニメーション作品と同時に世界初のレズビアンを描いた作品だと思ってしまった。

本作の監督であるエミール・レイノーは、映画史において非常に重要な人物であると共に表現力や発想力が人並み外れて優れているという事は理解出来る。
恐らく本作が公開された当時は今だかつてない衝撃を受けた人が多かっただろう。
ただ、今日の映像技術に見慣れてしまっている現代人が鑑賞しても、歴史的価値は感じるものの単調でつまらない作品と思ってしまう人が大半だと思うので、映画史に興味がある人以外は特に鑑賞する必要のない作品だと思う。
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