囚人13号

工場の出口の囚人13号のレビュー・感想・評価

工場の出口(1895年製作の映画)
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素晴らしく簡潔かつ経済的な『リュミエール!』という映画があるのだけど、これ1作に108本のリュミエール作品がフル尺で収録されている。もちろん本作も冒頭に入っているのだが、これは独立した1本として登録しておきたいかな。

開かれた巨大な扉から溢れ出すように左右に分散していく労働者階級の人々と動物、そのちょうど分岐点というか座標的な位置に陣取っているカメラの戦略性と、何より自分たちに向けられた奇妙な装置を無視しようと努める一般人たちに皮肉にも史上最初の"映画の矛盾"を見る。ここから映画史という虚構の歴史が幕を開けるのだから象徴的ですらある…というのは流石にかっこつけすぎ。
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