菩薩

母娘監禁 牝〈めす〉の菩薩のレビュー・感想・評価

母娘監禁 牝〈めす〉(1987年製作の映画)
4.2
とにかく冒頭が良いってのがあるが、話を追う事に徐々にその高度を下げなんとか墜落寸前で再びエンジンに点火…と言った印象。希死念慮バリバリの女子高生、いのちの電話はテレクラに姿を変え、友人を間接的に殺してしまった彼女の罪悪感は、心身共に堕ちていく事で友人に追いつこうとしてしまう。自分の身体を売り、友を売り、遂には母親まで売るが、家に帰りさえすれば彼女を温かい食卓が待っている。とっくりセーターが語る『大人は判ってくれない』、この映画も海に始まり海に終わる。その部屋には似つかわしくない少々大き過ぎる冷蔵庫とこたつの利用法、偽ユーミンの「ひこうき雲」ってこれか。「遠くで見たら岩城滉一、近くで見たら柳沢慎吾」がめちゃくちゃいい、しかも舞台が水戸。岡田有希子の飛び降りの翌年にこんな話を書く荒井晴彦…。
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