イチロヲ

母娘監禁 牝〈めす〉のイチロヲのレビュー・感想・評価

母娘監禁 牝〈めす〉(1987年製作の映画)
3.5
人生に悲観している女子高生(前川麻子)が、売春斡旋業者の中年男(加藤善博)と接触してしまう。「死にたい病」を患う思春期の少女を追っている、日活ロマンポルノ。西村望・著「紡がれる」を原作に取っている。タイトルの「牝」は「メス」と読む。

ショッキングなタイトルが付いているが、母(吉川遊土)と娘を監禁する物語ではない。「屈折した性格の男が、献身的になってくれる最良の女性パートナーを踏みにじってしまう」というパターンが取られている。

主人公の少女は、親の愛情を受けずに育てられたため、後に売春斡旋業者であることが判明するオッサンに、親の代替を求めてしまう。さらに「死にたい病」の発症により、心と体が分離した状態になってしまい、非合法の性産業に埋もれていく。

粗野な男に翻弄される脆弱な少女を見ながら、「その痛々しさに身を焦がす」というプレイを鑑賞者側が受けることになる作品。荒井由実の楽曲が使用されているが、オリジナルではなく、そっくりさんによる歌唱。
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