豚肉丸

襲う!!の豚肉丸のレビュー・感想・評価

襲う!!(1978年製作の映画)
4.2
パトロール中にトラックに激突され強姦された警察官が、自分を強姦した犯人を探すお話

ジャッロ映画かなと思いながら見ていたら、途中からの展開に混乱してきた。てっきり犯人を探して復讐するっていうのがこの映画のあらすじだと思っていたんだけど全然違った。
序盤のシーンはとても凄い。いきなり車に追突された時の恐怖、そして男に襲われる恐怖がはっきりと描かれていて迫力もあった。その後の犯人探しパートも良く、「自分に恨みを抱いている人が犯人じゃないか」と思い自分が過去に逮捕した人と次々に接触していくのも面白い。
しかし、この調子で進んでいくのかと思いきや全然違った。
途中から定期的に強姦が入るようになり、ちょっと退屈気味に感じる。流石に何回も同じことを繰り返されたら飽きるわ…
終盤になると盛り上がってくるが、オチは「えっ、そうなるの!?」って内容だった。でもこの映画は犯人探しを主題にしていない、と考えると納得がいく結末であった。つまり、この映画は一人の女性の成長を描いているのだ。性としての成長。これは『ロリータバイブ責め』と同じように「男に屈しない女になる」という映画であった。そう考えるとラストの結末にも納得がいく。
トイレのシーンのカメラワークはかなり良かった。てっきりカメラがフォローショットで人物を追いかけているのかと思いきや、カメラは犯人視点だったとは。見ていて驚いた。

エヴァQ並にベートーヴェンの第九が印象的に使われている。全編に渡ってクラシック音楽が使われているので、なんだか高尚な映画にも見えてくる。実際のところは日活ロマンポルノなんだけどね……
豚肉丸

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