ロビン

スリーピング・ボイス 沈黙の叫びのロビンのレビュー・感想・評価

3.7
けっこうヘヴィだけれど、かなり観ごたえのある作品。
内戦で破れた共産主義側に関連した、女性達が収監されて、死刑になっていく。
途中、妹のペピータが拷問にあうシーンはさすがに目を背けたくなる。。
そんな邪悪な刑務所の看守に心優しい人がいて少し心が救われる。。
しかし、内戦で同じ国民同士が殺し合うのは昔話じゃなく、今尚どこかの国で内戦はあり、毎日のように殺し合いをしているのが人間。
もうこれは人間の性としか言いようがない。
人間がこの地球上で最も愚かな生き物だと思わずにいられない。
それと、この作品の姉妹役の女優さん二人とも実に美しい。

そしてこの映画を観る前にこのスペインの内戦についてある程度知識を入れてから観た方が、より理解できる作品だと思う。
じゃないと何故、神に使えるシスターや神父があんなにも酷い行いをするのか!
そして、何故頑なに子供の洗礼やカトリックへの信仰的行為を拒絶するシーンがあるのかが理解できる。
元々政府側であった共産主義が反政府であるファシズムに内戦で負けた。
このファシズム側にはカトリック教会も加担していたので、共産主義の人々に辛くあたるのだ。
なので、鬼軍曹のようなシスターが共産主義の囚人に対して滅茶苦茶酷い扱いをする。
この過程が分からないと何で神に使えるシスターが、こんな酷いことをするのか理解に苦しむことになる。

とにかく、スペインにもドイツにおけるユダヤ人迫害のような歴史があったことを知った。
現在のカタルーニャ独立の問題等もこの内戦が関連しているようだし、根深い内戦の歴史がそこにはある。。。
ロビン

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