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女囚さそり 殺人予告のShinMakitaのレビュー・感想・評価

女囚さそり 殺人予告(1991年製作の映画)
1.7
女子刑務所第五雑居房に、若い新入りが入った。囚人番号701号のこの女、同房の女囚たちと打ち解けないばかりか口もきかず、作業中も暴れ続け、ついに独居房に放り込まれることに。だが、これは彼女の計画だった。実は701は凄腕の殺し屋。県議会議員となった元刑務所長・郷田の依頼で、囚人になりすまし潜入したのだ。標的は、地下懲罰房にいる松島ナミという囚人。元所長の目を潰したことで、20年以上も懲罰房に入れられている女だった。近々刑務所が移転することが決まっており、長年の懲罰房放置が明るみになると困るという郷田と現所長が、ナミの暗殺を企てたのだ。701は、房内の会話から、ナミが「さそり」と呼ばれ女囚たちに神格化されていることを知る。どんなに拷問されても死なないという伝説の「さそり」を、果たして消すことができるのか?



「女囚さそり 殺人予告」


レンタルリリース時、主演・岡本夏生という時点で観る価値なしと決めつけていた一本。しかし…

…いやあ、これ、なかなか面白いですよ!

確かに岡本夏生のセリフ回しは救いようのない酷さなんだけど、この人カラダが出来ているので、アクションに説得力があるんですよね。物語も、「さそり=松島ナミが出てこない」という発想がトリッキーで素晴らしいのです。中盤からは岡本夏生と西川峰子のバディものになっていき、「さそりトーク」を展開するのがグッとくるんですよ。演技はともかく、意外な伏兵として評価できるのはダンプ松本。鬼看守でありながら、同僚想いという二面キャラで印象的でした。そういや今度、彼女の半生がNetflixでドラマになるんですよね。相手のクラッシュギャルズ役に唐田えりかと剛力彩芽という私生活がクラッシュしてる2人がキャスティングされてるのが笑えますな。ま、これは余談。

監督は池田敏春。ガンアクションのスローモーションにはサム・ベキンパーの影響が見てとれて、映画ファンにはたまりません。地下懲罰房の壁が崩れてくる「さそり継承シーン」とクライマックスの演出は、「人魚伝説」の池田監督ならではのホラー味が味わえます。軽くオススメ。
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