幼少から寝たきりの生活を送っていたステラ・マリスは、彼女を愛する叔父達によって大切に大切に育てられ、一切の不幸から隔絶されて生きてきた。
しかし手術を受けて歩けるようになった彼女は、行動範囲が広がるにつれ世の中の貧困や悲しみの存在に気付く。
更に想いを寄せていた青年が実は既婚者だったと知り、無垢なステラは深く傷つくのだった。
幸福な箱庭で生きてきた少女が、辛い現実を知り苦悩しながら成長していくドラマ。
アメリカの恋人、メアリー・ピックフォード26歳の時の一人二役作品です。
幸福なお嬢様と不幸な孤児を演じている。
さすがは芸達者で可愛い。
特殊メイクによる一人二役だという信じられない事実で、表裏一体の明暗対比が浮き彫りになる名作に化けた。
ピックフォードの一人二役からも気合が伝わってくるこの作品は、野心的な作品と言える。
ストーリーは、孤児から救われた使用人による自己犠牲殺人の単純な話。
ハッピーエンドのようでなんか後味の悪い終わり方だなと思った。
話は大時代的ではあるが、2人の少女を対比させ、上手く映像化している。
また、これには原作があり、作者はウィリアム・J・ロックの『ステラ・マリス』なのだそうだ。
映画が作られてから100年以上経ち、すでにピックフォードはこの世を去った。
それでも、私たちは「ピックフォードはこういう役者でした」という簡単な説明以上のものを見ることが出来る。