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高級ソープテクニック4 悶絶秘戯/迦楼羅の夢の仮想空間のレビュー・感想・評価

3.7
瀬々監督はセックスが撮りたいのではなく、セックス「とその風景」が撮りたいのだと思う。冷涼な照明のソープ浴室と狭いアパートで密着したものとでは、受ける印象がかなり違う。明確に区別して演出されたように受け取った。
とにかく円環。葉月螢が性行為の次のシーンで射殺され、舞台の時間が逮捕→釈放(この間に4〜6年位経っているはず。英語字幕による)へといきなり飛んだりと、映画的時間には飛躍が保障されているかと思いきや、登場人物たちにその自由が適用されることはない。ソープ、薮、鉄塔…の繰り返し。
POVと見せかけて、実は全くその人物の視点に立っていないショットがあった。すべて主人公・伊藤猛視点のものだったので、異常な視点を配置することへのこだわりを感じた。
この映画が渇望し続けた鳥瞰視点という悲願を成し遂げたのが『Helpless』なのだと思う。たぶん。
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