東海道四谷怪談のぺろのレビュー・感想・評価

茂の伊右衛門、クズというには冷酷で、冷酷というには弱く流されやすい、絶妙な塩梅のクソ男ですばらしい。新東宝の茂は美しいなぁ。良い意味で過不足のない怪奇映画で、まさしくマイルストーンの一つ。顔が崩れたお岩さんと宅悦のシーンも、伊右衛門から物理的に御仏に見放されていくシーンも最高でした。あとカメラワークがすごくいい。冒頭のお岩さんのお父上と伊右衛門のシーンなんかのっけからぐっと気持ちを掴んでくる……