映画好きなねこ

ネスト/トガリネズミの巣穴の映画好きなねこのレビュー・感想・評価

2.7
衝撃のラスト!という謳い文句に惹かれ鑑賞。
アパートで二人暮らしの姉妹。姉は家の中に篭りきりで外に全く出ることが出来ない。妹は18歳で異性に興味が出てくるがそれをタブーとする姉の過干渉にうんざりしている。
そんな歪な関係の姉妹の元にカルロスという男性が現れる。階段から落ち怪我をしたカルロスは姉に助けを求める。姉は彼を恐れつつも部屋に入れ介抱する。
カルロスに「医者を呼んだ、怪我は安静にしていれば問題ない。部屋に電話がないので外とのやり取りは出来ない。」と嘘をつく姉。医者など呼んでいないし、足は壊死寸前、電話もあるが使わせたくないようだ。要するに監禁。ミザリーと全く同じ状況。妹はカルロスに「姉には気をつけろ。早くここから出るべき。」と忠告するがカルロスは出ていく気配はない。そんな中カルロスを探す女と警察が彼女達を訪ねてきて……。といったストーリー。
衝撃のラスト!という割にそこまで衝撃は無く、ホラー映画として怖いか?と言われるとそういう訳でもない…。ミザリーのアニーの方が何倍も恐ろしい。終盤の姉が覚醒してからは痛々しくてでも何故か色々おかしくて笑ってしまった。姉も狂ってるが妹も中々おかしい。警察を呼べば済む話なのにそうしない。また、カルロスを誘惑するような行為、謎です。
また、姉は確かに狂っているんだけど、その現状に多少同情してしまい、それも恐怖を半減させている原因かも。高圧的な父親に育てられ自分に自信がなくそのまま大人になってしまった感じ。常に自分を責め、悲観している彼女に感情移入してしまった。ミザリーの時はアニーに対して「こいつやべぇ」としか感想を抱けなかったので純粋に怖かったし予測不能だった。背景設定など丁寧に作られている分怖さが減ってる印象。やっぱり「よく分からないけどおかしい奴」がホラーでは1番怖い。