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北の国から'84夏のshunのレビュー・感想・評価

北の国から'84夏(1984年製作の映画)
4.6
「北の国から'84夏」を観終わったわけで

拝啓、母さん

前作から約半年、去年の冬の終わりに丸太小屋が燃えてしまった

雪子おばさんは草太兄ちゃんとの結婚を一時は決意し北海道に戻ってくるも、8年愛した相手が離婚したと聞く。結局富良野の皆を裏切ることになってしまい苦悩するわけで

雪子おばさんが列車で帰るときに螢が草太兄ちゃんを線路脇に連れていくシーンは、ドラマシリーズで母親に別れを言わせるために草太が螢を連れてきてあげたシーンと重なり、この二人の絆の強さがまたいとおしく思われ

五郎は家が燃えたあと前のような気力を失ってしまいそれを純は気にしており。その純はというと火事の責任や東京から帰省中の中畑のおじさんの甥、努を入院させた責任逃れのために重ねた嘘に正吉との友情までが怪しくなってしまうので

言え出せないでいた嘘と卑怯な行いのの告白をする純、五郎の「子どもがまだ食ってる途中でしょうがっ!」、無言で割れたお椀を拾う螢
純の成長と家族の絆が詰まっておりなんとも言えない苦しさが名シーンと言われるのも納得なわけで

最後まで黙って去った正吉との柱を挟んだ「あばよ」も印象的で

嘘を重ねた純、家族や草太を裏切った雪子おばさん。完璧な人などおらずどこかみんな人間くさくて、どこかで本当に存在していたのではと思われるわけで

作品と作品の間に起きた事も描かれてはいなくても同じくらいインパクトの強い出来事がたくさんあり。描かれていなくても彼らの富良野での生活が続いていると思わされ余計作品全体のリアルさを増幅させているわけで

今回はこごみさんが久しぶりに登場したのも懐かしい気持ちになる


富良野の秋がもうそこに来ていた
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