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サベージ・キラーのKHのレビュー・感想・評価

サベージ・キラー(2013年製作の映画)
4.0
この話って何気に凄い。明らかにアメリカ南西部のキリスト教原理主義者を腸をえぐりだすほどにぐちゃぐちゃにやっつける話になってる。ホモネタ程度でブチ切れたり、あからさまな黒人差別の描写が彼らがキリスト教原理主義者(同性愛認めない、人種差別する)であることを示してる。ほんで、たとえレイプされた結果だとしても中絶を認めないキリスト教原理主義者へのあてつけになってる。お前らこんな風にレイプされて妊娠した場合でも中絶を否定するのかよ!っていう風に。ほんでもって、そもそも白人が移民・侵略してきた分際なのに、移民を認めないキリスト教原理主義者がレイプ後に生まれてきた先住民(アパッチ)の怨念によってめった刺しされるという皮肉なストーリーに仕上げたんだな・・・だから主人公が女性なんだ・・・ほんで恋人が黒人で、野蛮な(Savaged)連中はキリスト教原理主義者の白人という構成なんだ。非現実のホラーアクションの中に何気に実際のアメリカの一社会を紛れ込ませて叩いてるんだよ、絶対。そう考えるとタイトルの(Savaged)って挑戦的だな・・・冒頭で主人公のお母さんが心配して「(南西部は)変な人が多い」と断言するのは、キリスト教原理主義者=Savaged(野蛮)のことだったんですね・・・ただ、チェーンソーの登場なんかホラー映画のオマージュだな・・・監督がホラー映画好きなんだよ、きっと・・・腸で綱引きしてるし・・・これホラーアクションに見せかけたシニカルなコメディだな・・・こういうの作って公開できるところがアメリカって素晴らしいし上手いなぁと思う。日本だったらクレームですぐ表現の自由が殺されるからな・・・
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