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ヴィンセントが教えてくれたことのASCEけのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ビル・マーレイが好きで「ヴィンセントが教えてくれたこと」を鑑賞。

まさか宗教や聖人が絡んでくる物語だとは思っていませんでした。

ネタバレありと書いていますが、ネタバレはほぼしてないです。一応ネタバレのカバーをしてます。


下記感想になります。


昨年4月に社会人になり、早1年経とうとしてます。

この1年間新しいことだらけの世界で特に周りの目を気にしがちな自分からすれば感じるものが多かったです。

善と悪を白と黒で表(現)すならこの世界でうまくやっていくにはグレー色になるべきではないだろうか。初めての世界に1年浸って最近ようやく1つの答えを出してみました。

その答えは小中高の教育や塾では習わなかったし、もちろん進研ゼミでも出てきませんでした。

「いい人」とはどういう人なのだろうか。色なら白色になるのだろうか。

「いい人」は損をする、「いい人」とは相手にとって「都合のいい人」なのだとよく耳にするようになった。

生きていくということ、特に仕事をするということはほぼ必ず誰かと関わっていくことが必須な訳で、そこでは上記に書いた「いい人」でいられない場合がしばしばある。どうしても白を汚さないといけないことがある。

この映画が伝えたいこと、いや、教えたいことはそんな学校では習わないグレー色の生き方やその場での対応ではないだろうか。

特にオリヴァーがいじめにあっているところをヴィンセントが救うシーン。

とても子供相手とは思えない乱暴なやり方でヴィンセントは対応する訳だが、被害者であるオリヴァーからは「乱暴な人」ではない「何者か」に見えたはずだ。

だからこそ、手を差し伸べるビル・マーレイの顔を下から撮り、背後にある太陽と重ね、「聖人」のように演出したのではないだろうか。このシーンはとてもお気に入りだ。趣味でショートフィルムを作ることがあるが一度真似してみたい。

ここまで色々と書いてきたが、やっぱり最後のクライマックスには泣かされた。
ここは是非、自分の目で鑑賞してほしい。

最後に、この世の中をわかったげに先ほどから書いてきた訳だが、それはあくまで「自分が見てきた世の中」に過ぎない。きっと世の中はもっともっと広くて、自分がまだ見ていないもの知らないものがもっともっともっとあるはずだ。さらに言えば自分以外の人全員が自分とは違う世の中を見てきている。

自分が見てきた世の中を誰かと共有することはあっても「これが世の中だ」と押し付けるようにはなりたくない。

本当の意味で「いい人」がわかった時、もしかしたらどこかでそんな人に会えるのかもしれない。実は過去に会ったあの人がそうだったのかもしれない。

ちなみに、グレー色になるべきという答えに対して採点にはまだ時間がかかりそうだ。

とてもおもしろい映画でした。
ありがとうございました。

《追記》これゴールデングローブ作品賞、主演男優賞ノミネートしている作品だったんですね笑

下記、いい人であることに対して
https://youtu.be/skdyPlRFTMM

https://youtu.be/Svs6yS86J-I

https://youtu.be/IG9WcfkYYro

メイキング映像
https://youtu.be/oED1D4Sct34
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