夏藤涼太

ズートピアの夏藤涼太のレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
4.0
上映時から見たいと思いながら、結局、今さら初めて見た。
思ったよりビースターズだった。

でもズートピアの動物擬人化は、あくまで人間社会に存在する差別や偏見のカリカチュアなのに対して、ビースターズは本当に「動物の動物性」をテーマにしてるから、構図こそそっくりなものの、本質は全然違うか。板垣巴留は、あまりにも真のケモナーすぎる……

ジョン・ラセター的な完成度が高すぎる脚本と、見ていて楽しいアニメーションとキャラクターは、いかにも出来のいいピクサー・ディズニー映画。
でもピクサー(とピクサーが入ったディズニー)映画って、あまりにもエンタメとして出来が良すぎて、すーっと抜けてっちゃうんだよな……咀嚼しやすすぎるというか……。物語の枠がわかるまでの冒頭を過ぎちゃうと、あとは、あまりにも皆が好き(=見たことがある)な展開やキャラ、構図しか出てこないから……。まぁエンタとしては正解なんだけど……見てる間は楽しいけれど、そのまますぐに消費してなくなっちゃう感じはある。

これを自分では、勝手に、「面白すぎて面白くない現象」と呼んでいます。個人(作家)主義的な日本の作品を見すぎてるから、そう思うののかもしれない。

でもこれは、ひねくれものの感想にすぎないし、(7年間も醸成されて)ハードルが上がりすぎていたからかもしれないので、たぶん、自分だけ。

ナマケモノのシーンが一番好き。
夏藤涼太

夏藤涼太