Ken

ズートピアのKenのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
4.2
2023年57本目。
ディズニー関係なく、くそおもしろいやんけ。

脚本というか展開と見せ方がうますぎる。ディズニー映画という枠ではなく、これまで見てきたたくさんの作品の中でも上位に入るクオリティだと思った。

ミステリー仕立ての展開と、中盤から一気に現実社会を揶揄するような描写に満ちるところはすごい見応えあった。うわーーーそうやって描いて行くのかあああって。
子供が見てもシンプルに楽しめるだけでなく、大人の私が見ても見応えがあった。
強者が弱者をいじめる前半から、その弱者が多数派でもあり少数派を嫌うという展開は予想外に引き込まれた。
人種差別を描いているけども、どちらも差別される側になりえることを上手く描いていて、興味深かった。


テーマがとても良い上に、世界観の設定が最適解すぎる。
多様性に満ち溢れた動物たちを使うことによって、差別をわかりやすくする。しかも人種差別ポリコレ勢からのクソ批判も回避する。
それと同時に、キツネはずる賢いとか、ゾウは記憶力が良いとかいう偏見も露骨に描きつつ、それをうまく否定する。そうやって多様性をわかりやすく見せてくれる。


そんな優等生らしいテーマと舞台なのに、エンタメとしても優秀という。黒幕までの描き方がうまかった。市長がJKシモンズというミスリードにはまんまと騙されました、絶対悪いやつの声やん笑
ナマケモノたちのシーンを含めて無駄な場面は一切なく、ずっと楽しく見られた。そこそこ重くなりがちな場面もあるけど、テンポよく切り替えてくるから本当に引き込まれた。


ディズニー作品の文脈で言ったら、第三期黄金期らしく、繰り返しの演出だらけ。ボイスレコーダー重要アイテムになりすぎやろ笑

そういえば、アナ雪とかはシンデレラの文脈の人間のプリンセスものだったけど、動物たちを描くこともディズニーらしいよね。ちょっと久しぶりかな?




本当にクオリティが高い作品だった。
テーマも、批判を寄せ付けない世界観も、優等生すぎる良作。
これは子供たちにも見せられるし、そこそこ歳を重ねていても議論できるレベルに深いところまで含んでいる。
ディズニーアニメーションスタジオ第三期黄金期すごすぎる………
Ken

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