るるびっち

ズートピアのるるびっちのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
4.6
日大で絶大な権力を握ってるのは爺たちで、恐らく林真理子理事長は蚊帳の外で、イメージだけ利用され何かあった時には首をすり替えられるのだろう。
ズートピアで描かれているのは、見た目の思い込みや偏見、マイノリティ問題・・・そして男女の地位の話である。

横暴で権威的で力を誇示して地位を明け渡さない肉食動物(男)と、閑職に押しやられる草食動物(女)のメタファー。
日大はズートピアだ、珍獣が一杯ww
ジャニーズは、幼い雄を老いた肉食獣が貪るスマイルトピア。

主人公のジュディも羊の副市長も、閑職に押しやられる。
ジュディは体力ハンディを乗り越えて優秀な警官になるが、交通課の仕事しかさせてもらえない。
親でさえ、安全な仕事で良かったと悪気なく差別する始末。

彼女はそうした周囲の偏見に苦しんだにも関わらず、インタビューで偏見に満ちた発言をして、狐のニックを傷つける。
幼い頃にいじめっ子に言われた、「DNAが違うから草食動物に警官は無理だ」という言葉を裏返して「DNAが違うから凶暴になるのは肉食動物だけ」という趣旨のことを述べてしまう。
思い込みと偏見は周囲の不理解な連中だけではなく、自分自身にも深く刻まれていたのだ。
ここが差別の難しい所で、頭で理解しても知らぬ間に社会生活の中で刷り込まれているのである。
物語は分かりやすく、その辺りを示してくれる。

ジュディが常に虐げられる存在なので、観客は自然と彼女に感情移入して応援したくなる。
同時にそれがテーマにも生かされている。
「見た目で決めつけるな」というテーマは、ほぼ全てのギャグに通じている。マフィアのミスター・ビッグが、実は大きくなかったり・・・
鈍いはずのナマケモノが、乗り物ではスピーディだったり・・・

動物たちがヌーディスト村で、お尻や股を広げているのが笑わせる。ディズニーが大胆なと驚くが、そもそも動物が裸なのは当たり前で、眉を顰める方がどうかしている。観客側が倒錯させられているのだ。

主人公と真犯人は、実は動機が一致している。
どちらも肉食動物(雄)の、職権乱用の被害者だ。
だが同じ動機を持っても、悪に染まるか正義に向かうかで人生は分かれてしまう。
それらを含め、よくできた脚本だなと思う
さて、日大のような肉食動物たちを躾けて檻に入れることが出来るのか、見守っていきたいものである。
この国は肉食動物たちの、利権構造と地位の濫用で滅びかけている。
そろそろ自覚して、大人しく草でも食ったらどうだろうか?
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