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モアナと伝説の海のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)
4.0
王道のディズニープリンセスとは一線を画している。(お城があるわけではなく、村長の娘。自分でプリンセスじゃないと否定する。色恋沙汰がなし等)

楽曲や美術からポリネシアンな雰囲気がぷんぷん。ポリネシア文化に欠かせない「海」をキャラクターとする発想と、その表現が素晴らしい。出しゃばり過ぎず可愛らしく意思表示する様子。泡や波しぶきの繊細さ。カヌーに降りかかった波が引いていく様子等、力が入っているなと感じた。

劇中何度も繰り返されるHow Far I'll GoとWhere You Areが印象的。原曲も吹替も美しい歌声が見事に映像にマッチしていたと感じる。歌詞がシーンに合っていて、上手く盛り上げてくれていた。

今回の作品は「自分は何者か(Who you are)」を探ることがテーマであると感じる。自分が何者かを知るためには、心の声に従う事だと説かれている。
テ・カァに一度追い返され、心が折れてしまったモアナに「Who you are」と歌いかけるタラおばあちゃんと先祖たちの魂。「一緒に帰るかい」と選択肢を提示するも、海に選ばれた自分自身の心の声に従い奮起するシーンは感動的。このシーンがあるから、テ・カァの正体が心を奪われたテ・フィティだと気付けたカットに(吹替だと少しわかりにくかったが)繋がっている。
「釣り針がないとマウイじゃない」と言っていたマウイが、「釣り針がなくてもマウイ」と戻ってきたシーンも鳥肌。「Youre Welcome」の重みが違う。

モアナの脇を固めるヘイヘイも印象的。知性が足りていないとズバッと言われてしまっているが、「海」と一緒にプリンセス随一過酷な旅の道連れとして役所をこなしていた。厳しい旅には強烈なボケキャラがいると和みますね。