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われらが背きし者のemilyのレビュー・感想・評価

われらが背きし者(2015年製作の映画)
3.1
モロッコでの休暇中の大学教授ペリーと弁護士の妻ゲイルは、偶然知り合ったロシアのマフィアディマからマネーロンダリングの情報の入ったUSBをMI6(イギリス秘密情報部)に渡してほしいと頼まれる。家族の命がかかってる事を知り、引き受けることになる。そこから二人は危険な亡命劇に巻き込まれていく。

世界五か国を舞台に、スパイ映画ならではの裏切り、復讐などが細かく交わり合い、奥には友情と愛がしっかりとひそめている、奥深い作品に仕上がってる。冷えた空気感漂うロシアの映像から、乾いた色のモロッコへと、風景美も美しく、不穏感が漂う空気感も全編に色を添える。

お人よしペリー演じるのははまり役のユアン・マクレガー。ディマを通じて男として大事なもの、生きる上で大事なものを学んでいく。二人の信頼関係が心地良い。テニスをしてその息遣いを感じることで、人間性を見る。選んだ男は間違いなかった。

スリリングな展開がじっとりと進む中で、それに翻弄されていくことで、大事なものをそうして夫婦の距離は近づいていくのだ。与えられた試練を乗り越えて得たものが彼を一回りも二回りも大きくし、その後ろ姿には男らしさを感じさせる。そこにはディマの深い友情と愛が笑顔と共に響き渡るのだ。
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