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われらが背きし者のcruela53のレビュー・感想・評価

われらが背きし者(2015年製作の映画)
3.7
filmark試写会にて鑑賞。
MI6の出てくるスパイ映画なのですが、中心となるのはアクションではなく重厚な人間ドラマ。
ロシア・マフィアの大物、MI6エージェント、巻き込まれた大学教授、の3人の攻防にハラハラします。
このハラハラ感を増長させるのが、乾いた感じの映像でした。
それぞれのカットをどのように見せるか、構図や光の使い方がとても計算されていたため、映像がストーリーの重厚さとマッチして相乗効果を生んでいました。
特に、はじめのアバンタイトルのあの場面。
ショッキングな場面ながら、色彩も構図もとても美しくて、そこから一気に引き込まれました。

終盤の要所でしっかり序盤の伏線を回収してくれるのですっきりします。
そのあたり、丁寧に作られた映画だなあと思いました。
個人的にとても面白かったのですが、派手なスパイ映画ではないですし、内容も社会的なので、大人向けだと思います。
今作と同じル・カレ原作で人間ドラマメインのスパイ映画『裏切りのサーカス』や、一般人が重大な任務に巻き込まれ国を背負って交渉する話の『ブリッジ・オブ・スパイ』、少しテイストは違うけど『LAコンフィデンシャル』などが好きな人にはおススメです。
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