井出

さらば、愛の言葉よの井出のネタバレレビュー・内容・結末

さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

この詩的で、哲学的な言葉の羅列は、ただただ心地よい。これを理解するのを諦めたときの脱力感みたいなものが何とも言えない。でたまにしっくりくる観念があったりする。それでいいんだ、ゴダールは。
映像は実験的。赤や青はいつも通りの域を超えたようには思えなかったが、意外と映えたのが黄色と緑。赤や青の表現は確かに二次元でも美しいのはバルビゾン派やフェルメールが示しているが、植物が光を浴びてキラキラとリズムを奏でるときの黄色や明るい緑は素晴らしかった。モネ的なのかな。途中のひまわりや柳の葉は美しく、3Dの新たな可能性を感じた。
あと意外だったのは、今まで構造に奥行きをもたせ三次元を表現してきた窓や部屋などの仕切り、鏡、水が、3Dになるとよりはっとするほどの空間美を演出した。部屋の窓越しのひまわりや、斬新なカメラワークからの鏡の撮り方は素晴らしかった。表現の可能性が広がったからといって、3Dも2Dも人の目の面を通さなきゃいけないからね。中世の重層的な服もより重厚感がでてよかった。
など
井出

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