順慶

解放区の順慶のレビュー・感想・評価

解放区(2014年製作の映画)
3.0
つい先週も友人に誘われて西成で飲んだ(昼間から飲んで4件はしごした)。滅多にいかないし、そんなに好きなところではない西成という町だけど、たまに行くと嫌いになれない。

「若者のリアリティ」というテーマでドキュメンタリーを撮るということが、いかにも空っぽで、能がないということがわかる設定。

その制作会社のディレクターがクソで、最初はそうは思わなかったADスヤマもクソで、イライラした。
“人として最低”と表現すれば、監督にとっては、ほめ言葉になるのかもしれない。落ちていく人間が、気分悪くなるほど嫌だった。

スヤマは西成に何かを求めるように東京からくる。そして西成に現実があるということを見せている。
で、自分の居場所のようにも感じているのかもしれないが、西成はそんな都合のいい場所じゃないぞ。この映画の着地も西成を利用しているように感じて嫌だった。

でも、あのラストの部屋のシーンは、落ちきった男の緊張感がヒリヒリした。

日雇いの職を斡旋しているあいりん総合センターのシャッターが象徴的だったが、現実はすでに閉鎖されている。テレビで紹介された西成の店が観光地になっているのが現実だ。
順慶

順慶