フジタジュンコ

チェンナイ・エクスプレス 愛と勇気のヒーロー誕生のフジタジュンコのレビュー・感想・評価

3.0
冴えない40歳の独身男(という設定)のシャー・ルク・カーンが、旅の途中でトラブルに巻き込まる、カーアクションあり、肉弾戦あり、ヒロインのディーピカーちゃんの変顔ありのドタバタラブコメディ。ミュージカルにつきものの「なんで歌い出すねん」を逆手にとって重要なコミュニケーションのひとつとして扱っているのも面白い。

ストーリーはラージャマウリの「あなたがいてこそ」(をヒンディー語で撮った「ターバン魂」?)を下敷きにしていると察せられ、さらにはSRKの出演作のセルフパロディや、「ムートゥ」と同じネタを堂々と採用していたり、エンディングではラジニカーントへのリスペクトを踊って歌い上げていて、いいのかな?という気もするが、SRK演ずるラーフルがムンバイの人間(ヒンドゥー語)で、ディーピカー演ずるミーナがタミル地方の人間(タミル語話者)というところから、ヒンドゥーとタミルの文化の差を描きながら、その距離を近づけようとしているようにも読めた。

ラーフルとミーナが匿われる村の景色が非常に美しく、色鮮やか。てっきりこういう村で撮影したのかと思ったら、40日以上、1500万ルピーを投資して建設したセットというから恐れ入る…