イチロヲ

温泉こんにゃく芸者のイチロヲのレビュー・感想・評価

温泉こんにゃく芸者(1970年製作の映画)
3.5
生活困窮から脱するべく、芸者の道へと進んだ娘(女屋実和子・おなやみわこ)が、名器ミミズ千匹を駆使しながら、名声を上げていく。東映のお色気芸者シリーズ第3弾。舞台は石川県の片山津温泉。

主人公の父親(殿山泰司)が経営していた避妊具工場が倒産するところから物語が始まる。芸者として独り立ちする娘の姿と、前代未聞の「こんにゃく風呂」着工に腐心する父親の行動を、同時進行で描いていく。殿山泰司のエロ事師ぶりが、楽しくてたまらない。

端役では、時代劇・現代劇に関係なく、常に全力疾走のお大尽遊びを見せてくれる、上田吉二郎が素晴らしい。また未クレジットながら、土方巽が出演しているらしいが、残念ながら筆者は確認できず。

クライマックスにおける、主人公と小松方正のセックス・バトルもまた見応え満点であり、健康的なエロスの中にバカバカしさとやるせなさが同居している。「ぬるんぬるんぬるん、ぺろんぺろんぺろん」というテーマ曲が、あまりにも秀逸。
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