櫻イミト

マウス・オブ・マッドネスの櫻イミトのレビュー・感想・評価

マウス・オブ・マッドネス(1994年製作の映画)
3.0
カーペンター監督の「遊星からの物体X」(1982)「パラダイム」(1987)に連なる黙示録三部作の三本目。ラヴクラフト「クトゥルフ神話」の用語が頻出する作品。

大人気ホラー作家サター・ケインが失踪した。彼に保険金を掛けていた出版社社長は保険調査員のトレント(サム・ニール)に捜索を依頼、担当編集者リンダと共に調査が始まる。やがて二人はケインの小説に登場する”ホブの街”に入り込む。。。

主人公がフィクションの中に入り込む話かと思いきや、後半は世界観が逆転していく。”世界の行く末は神によって決められている”という考え方と本作を照らし合わせれば、作家ケイン=キリスト、ベストセラー小説=聖書であり、本作=黙示録となる。

自転車に乗る老人やリーガン歩きの女など怪奇なサービスは盛りだくさんで楽しめた。ただホラー映画のプロットとしては、追い詰められるべき主人公の切実感、絶望感が少々薄味に感じて物足りなかった。

※マウス・オブ・マッドネスは”狂気の入口”の意
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