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マウス・オブ・マッドネスのバロウズのレビュー・感想・評価

マウス・オブ・マッドネス(1994年製作の映画)
3.7
巨匠ジョンカーペンター監督によるオカルトホラー。
主人公のジョン(サムニール)は行方不明になったホラー作家を探しに、助手のリンダ(ジュリーカーメン)とともに「存在しない町」へと出向くが…。

前知識無しでみたのでどんな風に話が転がっていくか全く分からなかったのですが、まさかこんなにもオカルトホラー的で、『太古の邪神が目を覚ます』というクトゥルフ神話な話だとは思ってなかったので、後半のホラー描写の連続には驚きました。
なんだか「ジェイコブスラダー」を見た時のような衝撃。

こちらをじっと見つめる不審な人物、真夜中に自転車を漕ぐ老婆、壁に飾られた絵画が少しずつ変化していくなど、何かと不安を煽る演出が上手く流石カーペンター監督。どことなくクローネンバーグ風味も入れつつ、日常世界が不条理にも壊れていく様を丁寧に描いていると思いました。

「カーペンターズの曲はやめてくれ!」とか、バスの乗客が全員青色の服装で絶叫するシーンなどは笑いましたが。
監督の代表作「遊星からの物体X」「ハロウィン」なんかと比べると知名度は低く、レンタルでもなかなか見かけない作品ですが、俳優の演技やホラー描写、クリーチャーの特殊メイクは逸品で是非多くの人に見てほしい映画です。特にクトゥルフ神話好きな人は必見。
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