きよぼん

スター・トレック/叛乱のきよぼんのレビュー・感想・評価

スター・トレック/叛乱(1998年製作の映画)
3.8
こういうのでいいんだよ。こういうので。

ドラマが映画になるときは、当然ながらドラマではできなかったスケールアップをしたり、人物に大きな変化があるのが常。でも自分はその「非日常感」が苦手。もちろん面白いドラマの映画化たくさんありますが、映画になることで空気が変わるのが嫌。「踊る大捜査線」も「あぶない刑事」も、キャラへ物語のきめ細かなフォローができなくなってるのが嫌だった。映画になることはいいんですが、自分は「日常」好きだったのになあ・・と思ったりします。だから大好きなドラマも映画になるときは「しょぼい」とか言われても、もうそのまんま力まずに映画化してくれ!という派なんです。特別な話よりも、とにかくエピソードを重ねて欲しい。

そんな自分の好みにピンズドだったのが本作。バクー星を巡る陰謀の物語。ドラマのエピソードを、力まずにほどよいパワーアップで押さえてるところがよい。それでいて、ユーモアあり、キャラの見せ場も全てあり、「歴史からまたも人は学んでいない」というメッセージもある。映画としては控え目ながら、テレビドラマの良さを全てもってこれている。特別でなくていい。こういうのでいいんだよ。

劇中の会話や、連邦がなぜ愚挙にいたったのかについては、当時放送中だった「スタートレックDS9」との関連がうかがえる。つまりは、この頃スタートレックをバンバン作るつもりだったから、ひとつのエピソードとして本作のような「日常」の映画が作られたという背景があったのではないか、と想像したりもする。もうひとつの事情としては、映画があまりにビッグバジェットになりすぎて、小回りのきくような作品はつくられないくいという背景もあるだろう。しかし自分は本作が好き。本作のような「日常」のスタートレック映画を作ってくれないですかねえ。

・・・ここまで書いてきてなんですけど、自分「劇場版・コードブルー」の感想読み返すと「テレビドラマそのまんまやないか!」って批判してるな。まあ、人間好きな者には矛盾する生き物なので・・・
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