【第一部】96分 主役は3人。イタリア精神保健改革の父、フランコ・バザーリア。アメリカ進駐軍に凌辱された女性から生まれたマルゲリータ。旧ユーゴでファシストとナチスに蹂躙されて家も肉親も失ったボリス。1961年、ゴリツィア県立精神病院長に赴任したバザーリアは、小さな檻に閉じ込められていたマルゲリータに顔を近づけたとたん、唾を吐きかけられる。独房のベッドに15年も縛り付けられているというボリスを回診すると、屈強な看護師たちに取り押さえられた立ち姿のボリスの汚れた股間に、ホースの水が無遠慮に掛けられている。バザーリアは、ゴリツィア病院の収容所臭さをなくすことに、心血を注ぐ。こんな彼女に、マルゲリータやボリスの頑なな心も、少しづつ緩んでいく。しかしゴリツィア県の行政当局は、病院外に精神保健センターを造ることにも、職員を増員することにも反対。そこに、外泊した男性が妻を殺める事件が重なって、バザーリア院長は病院を追われる。1969年、映画前半が終了。 【第二部】102分 1971年、トリエステ県代表(日本の県知事に当たる人物)のミケーレ・ザネッティが、県立サンジョヴァンニ病院長になってほしいとバザーリアを口説く。彼女は、「白紙委任状」(つまりカネを出しても口は出さないということ)を条件に、院長を引き受ける。マルゲリータもボリスも、サンジョヴァンニ病院の入院者として、後半でも登場する。これはフィクションだが、ゴリツィア県とトリエステ県は自治体として近隣同士だから、不自然を感じさせない。。
「患者は《クライエント》よ。彼らのために私たちは働くの」 心理療法の常識に屈することなく、愛と芸術で人を癒した伝説の女医、ニーゼ・ダ・シルヴェイラの気高き魂の記録。 1940年代、…
>>続きを読む10年の歳月をかけて、300におよぶ親子を取材した、作家アンドリュー・ソロモン。親や周りとは“違う”性質を持った子どもを持つ親子たちのインタビューをまとめた「Far From the Tr…
>>続きを読む「自閉症と呼ばれる彼らの世界が“普通”と言われる人たちと、どのように異なって映っているのか?」を世界各地の5人の自閉症の少年少女たちの姿やその家族たちの証言を通して追い、明らかにしていく。…
>>続きを読むケン・キージーの同名ベストセラー小説をジャック・ニコルソン主演で映画化。刑務所での強制労働を逃れるために狂人を装い、精神病院に入った男が巻き起こす反抗とその騒動を描くヒューマンドラマ。
2004年、「GID特例法(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律)」が制定された。当事者としてすでに手術を経て性別変更を済ませていた浅沼智也は、今まで避けていた「セクシュアリティ…
>>続きを読む1947年。第二次大戦後のポーランドでは、反動分子たちが森に潜み、抵抗を続けていた。ひとり森の中を彷徨い、逃げ回るフランチシェクの脳裏に浮かぶのは過去の記憶だった。それは理不尽な拷問を受け…
>>続きを読む外来の精神科診療所・こらーる岡山に集う患者たち。病気に苦しみ自殺未遂を繰り返す人もいれば、病気と付き合いながら、哲学や信仰、芸術を深めていく人もいる。涙あり、笑いあり、母がいて、子がいて、…
>>続きを読む