まーしー

最後まで行くのまーしーのレビュー・感想・評価

最後まで行く(2014年製作の映画)
3.0
なかなかユニークな設定。
さすが韓国映画。サスペンス、アクション、コメディをミックスした良作だと思う。

本作の主人公は、賄賂を受け取っている悪徳警官のゴンス。
ゴンスは自身の母の葬儀中に抜け出すも、自ら運転する車で人を轢いてしまう。思い付いた証拠隠滅の方法は、轢いた死体を母の棺に入れて埋葬するというもの。
しかし、ある男性からゴンスに、ひき逃げ事件を目撃したとの電話が入る——。

もはやコメディのような導入部分。
しかし、随所にスリルある展開が用意されており、見どころ十分。
事故を起こした直後の検問、棺桶の死体からの着信音など、さりげない内容で手に汗を握る。
この時のゴンスの顔も良い。表情だけでその焦りが伝わってくる。

では、ゴンスに脅迫電話をかけた相手は誰か——正直、そこに謎解きの要素はない。
呆気なく正体が判明する。
冒頭がスリル十分だっただけに、もう少し焦らしても面白かったかも知れない。

それでも、ほぼノンストップで続く展開は、観る者を飽きさせない。
前半はコメディ要素を盛り込んだサスペンス、後半はアクションを盛り込んだサスペンスと、作風のアレンジも功を奏している。
また、一度の嘘によって雪だるま式に事が大きくなっていく展開は、笑いと悲哀に満ちている。
それにしても、賄賂が横行する韓国警察は、こうも腐敗しているのだろうか……。

日本でも岡田准一・綾野剛主演でリメイク版が公開されるとのこと。
今から期待して公開を待ちたい。