ボブおじさん

最後まで行くのボブおじさんのレビュー・感想・評価

最後まで行く(2014年製作の映画)
3.9
日本でのリメイク鑑賞前にオリジナルを視聴。主演のイ・ソンギュンはどこかで見た顔だと思ったら「パラサイト 半地下の家族」の裕福な家庭の旦那さん役の人。公開はこちらが5年早いから当然若い。

それにしてもこの頃から韓国のバイオレンスやサスペンス映画のレベルが急激に上がってきていた。それまでは韓国映画が日本の深作欣二や北野武の映画に大きく影響を受けていたが、いつの間にか逆転されてしまった。撮影規制の事情の違いによるカーチェイスや容赦ないバイオレンス描写の差はこの頃から明確に現れている。

収賄や横領の常習犯で、たたけばいくらでもホコリが出る身の、殺人課の悪徳刑事ゴンス。ある晩、内部調査がこれから始まると同僚から急報が入り、やむなく母の葬式を抜け出して警察署へ車で向かった彼は、夜道で通行人をはねてしまう。

人間焦って判断するとろくなことにならない。悪いときには悪いことが重なるもので、次々と悪夢のような災難が降りかかり、人生の崖っぷちに立たされた主人公。そんな彼が、どうせ最低最悪の運命ならば、〝最後まで行く〟しかない、と開き直って悪戦苦闘する様子をスリルとサスペンスと少しのユーモアで描き出す。

韓国お得意のクライムサスペンスだが、犯人が刑事という事で、展開が二転三転して面白い。途中からお約束の裏の世界とのつながりも匂わせて、騙し騙され、殴り殴られ…😅

ラストもなかなかシュールで、その後が気になる。これはリメイクしたくなる気持ちも分かる傑作。果たして日本版はオリジナルを超えられるか?監督・キャストがいいだけにオリジナル超えを期待したい!



〈余談ですが〉
英語タイトルの「A HARD DAY」もいいですが、「最後まで行く」という腹を括った邦題がいいですよね😊

ところで皆さんラストは果たしてハッピーエンドなんでしょうか?

私には主人公が新たな地獄への扉を開けてしまった様にしか見えなかったのですが😅