とらキチ

ガガーリン 世界を変えた108分のとらキチのレビュー・感想・評価

3.0
1961年、世界初の有人宇宙飛行の偉業を成し遂げた、ユーリー・ガガーリン生誕80周年を記念して製作された伝記ドラマ。
ガガーリンがロケットに乗り込み、無事帰還するまでと平行して、宇宙飛行士に選ばれる過程や、貧しかった幼い頃の境遇、家族との軋轢、そして宇宙に出るまでの訓練の回想が挟まれ、余すところなく正攻法で描かれた作品。
今作のエライところは、最終候補者としてガガーリンの代替要員となったゲルマン・チトフはもちろん、ソ連にとっての宇宙開発の全てを担ったセルゲイ・コロリョフについてちゃんと描かれていた事。何しろこの人は、アメリカにおけるヴェルナー・フォン・ブラウン以上の存在でありながら、宇宙開発技術者の身元を明かさないというソ連当局の方針によって、死ぬまで彼の名前、存在が西側に知れ渡ることがなかったという人物。いわば存在自体が国家機密だった人がちゃんと登場していたのは意義深い。それとともに印象的だったのは、ガガーリンの宇宙飛行の成功が報された時のソ連市民の歓喜の様子。“スプートニク・ショック”以上に「これでアメリカに対抗出来る!」との自信になったんだろうことがうかがえた。まぁそこらへんの描写は完全にプロパガンダなんでしょうけど。
何故「ファースト・マン」レビューの次に今作だったのかと言うと、フォロワーの方がやっておられた宇宙飛行士👩‍🚀同士の向き合いレイアウトをやってみたかったから(笑)そして何故「ガガーリン」だったのかと言うと…それは…
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