メル

ガガーリン 世界を変えた108分のメルのレビュー・感想・評価

3.8
世界で初めて人間が宇宙飛行に成功した1961年のロシア。
宇宙船ボストーク1号、飛行士はユーリー・ガガーリン。

ガガーリンがロシアの英雄になるまでを108分という彼の飛行時間とほぼ同じ時間でまとめている。

何故ガガーリンが飛行士として選ばれたか…それは彼が冷静な判断が出来てパニック状態に強かったから。
実はボストーク1号は色々な点で完全では無く無事に帰って来られる確証が無かったという。
近年になって少しずつソ連時代のベールが剥がされて色々な事が明るみに出されているけど何と言っても謎の多い国で、当時は事実と違う事が堂々と報道されていた。

その後34才でガガーリンがテスト飛行中に死亡した原因もロシア国内では多くの噂が流れているそうだ。

ラストは当時のフィルムでガガーリンがフルシチョフ書記長に迎えられ、国民が大喜びしている美しい映像が流れる。
彼の肉声によるメッセージも時代背景を考えると感動的だ。

しかし、世界的快挙の影の実力者である設計士のセルゲイ・コリョロフの存在は国内はもちろん国外にも極秘扱いだったという不思議。
彼はスプートニクも飛ばした第一人者だったのに…。
59才で亡くなった後ロシアの宇宙開発は減速しアメリカのアポロの時代へとなっていった。

映像のどこまでが真実か…など考えさせられ鑑賞後もガガーリンやコリョロフに思いを馳せている。
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