KeigoSato

トイレのピエタのKeigoSatoのレビュー・感想・評価

トイレのピエタ(2015年製作の映画)
3.7
野田洋次郎主演ということもあって鑑賞。

余命3ヶ月を宣告された青年のお話。

それこそ若者に多いと思うが何となく、惰性的に、自分の人生に意味を見つけられず日常を過ごしている。そんな人間が「死」と直面することによって初めて「生」を実感する。

つまらなく、日常を生きている人達に、生きる意味を、真っ向から問いかけている作品。テーマや描こうとしている事は重いけど、観終わって、ズーンと、暗い気持ちにさせられるような後味の悪さはなくて、毎日の日常を大切にしたくなるような、死を考える事で逆に生きる事に前向きになれる映画だった。

そしてエンドロール。野田洋次郎自身が歌う主題歌の「ピクニック」がこの作品の雰囲気と共鳴し、胸に迫ってくる。ここまで響いた主題歌は久々。

“銀色のプールに 青い鼓動がふたつ 重ねた唇に そっと思い出したよ あなたは僕がたしかに 生まれ落ちたあの日 この手からこぼれ落ちた この僕の片割れ” ここの歌詞に全部凝縮されている気がする。

考えるより感じろ系の映画なので賛否は分かれるだろうけど個人的に、その不思議な世界観にグッと引き込まれる良作だった。
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