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トイレのピエタのwesttribeのレビュー・感想・評価

トイレのピエタ(2015年製作の映画)
3.5
手塚治虫がノートに書き遺したプロットを原案にしていることと、
RADWIMPSのボーカルが主演することで話題、だそうだ。
僕はバンド名こそ知っていたが、彼の名前も顔も知らなかった。
そういえば若い女性客が多かったような。

難病がらみのラブストーリー、と聴いた時はスルー候補だったのだが、
そんなにベタ甘な話ではないらしいので観ることにした。
最近よく見る杉咲花がヒロインということもあり。

なるほど確かにラブストーリーだけど、
甘いセリフとかロマンチックなムードは皆無ですな。
余命宣告を受けて生きる意志をなくしかけている男と、
家族も学校も息苦しくて、感情のぶつけどころを求めていた女子高生。
いったいどこからが恋だったのか、わかるようなわからんような。

RADWIMPS野田洋次郎は雰囲気のある不器用キャラにハマってました。
そしてこの映画の肝はやはり杉咲花。
ワガママで凶暴で逆ギレなイノセントガールが力いっぱい暴れまわる。
ちょっと力入り過ぎ?とも思えましたが、感情を持て余している10代ってあんな感じかもな。
リリー・フランキーが道化役として舞台回しとして脇を固める。
宮沢りえ・大竹しのぶは、RADWIMPSのファンであることがきっかけで出演したそうな。

語りきらない脚本は狙ってやってるのだと思いますが、
主人公が絵を描かなくなった理由はクリアにならず、ちょっとモヤモヤ。
(子どもを描いてほしい、という母の願いをなぜ断ったのか?)
彼の生きる意志に直結する要素のはずだが。こちらの想像力が足りないのか?

「原案:手塚治虫」には賛否両論ありそうですが、
そこはあまり気にせずに観たほうがいいかな。
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