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チャッピーのmalのレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
4.0
物語は近未来のヨハネスブルグが舞台で、犯罪率の高さを解消するために政府が人工知能を搭載した警官ロボットを導入しているという設定です。そんな中、登場人物たちの性格や倫理観はなかなか尖っていて、いずれも狂気じみた行動を取りがち。

リアリティは薄く、何より会社のセキュリティや警察の設定がめちゃくちゃ浅くて、さすがにこんなんならんやろーと思いました。あと世界観がよくわからなかったです。単にロボットがいるだけであとはテクノロジーや世間の様子も現代と変わってない。暴動が起きてましたが、その様子の描写が少なく、通常と何が変わったのか、どれくらい逼迫しているのか説得力がやや弱いというか。また、終わり方もアイデンティティの崩壊が予想されるような展開で、なぜそうなったのか理解しづらかったです。

ただ、映画のテンポは良く、アクションも多くて楽しめました。生命や倫理についての深い考察はされていませんが、それを求めるのではなく、エンターテイメントとして楽しむことができます。監督のニール・ブロムカンプ作品らしい、『第9地区』に通じる「人間を人間として定義するものは何か」というテーマも感じました。

チャッピーの体の動きや姿勢などは分かりやすく、態度が見た目に現れることを改めて認識することができました。彼が実際に迫害されているのもそうでしたが、意思を無視され、選択権が与えられない状況をいるのを観てるいのがつらかった!全編にわたって悲壮感はありました。そういう意味でチャッピーはかわいそうな存在であり、より悲惨な展開になる可能性もあったかもしれませんが、それはエンターテイメント性を損なうのでやめられたのかも。

また、チャッピーがどんどん賢くなっていく様子は納得感がありました。チートも許されるというか。最後の展開も無茶苦茶だけど納得はできました。
でもロボットが脳波感知ヘルメット被っても、意識をデジタル抽出できんやろ…!
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