たた

チャッピーのたたのレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
2.9
〝意識〟を搭載されたロボットがギャングにさらわれて、学習と交流と葛藤を繰り返しながら、わずか数日の寿命と知り自分の生について考える。

テーマもストーリー展開もテンポも、ギャングのママ&パパも、特撮技術も、おもしろい。

でも…肝心のチャッピーを好きにはなれませんでした。

自我を得たロボットの物語で「ショートサーキット」って映画がありまして、大好きな映画なんですけど、
ロボットの造形やキャラ立てや感情表現についてショートサーキットのNo.5の足下にも及ばない。

あんまり映画の酷評は出来ないタイプですが、期待してただけにどうしても、残念な気持ちになってしまったのです。

モーションキャプチャーが素晴らしいという評価をいくつか見たけど僕は逆にあれでしらけてしまって。

人間の心を持ったロボット、ではなく、ロボットの皮を被った人間、にしか見えません。
人の動きをそのままCGに反映できる技術の、弊害のように思えます。

椅子に座った直後に座り心地を気にして腰を少しだけずらす仕草とか、
鼻の下を人差し指でこするような仕草とか、
人間なら無意識に本能的にするようなことをロボットがやるわけですね。

搭載したのは〝意識〟なのであって、〝無意識〟や〝本能〟まで組み込んでしまうと、もうロボットに見えないんです。
生まれたばかりのオドオドした動きとかも。

あと、そもそも意識とは何かという問題。
哲学でも科学でも解明される見込みがない〝意識〟というものを、安直にデータ化したり転送したりする展開が、やはり残念に思えました。
深く追及し始めると話が進まないので安直なのはある意味正解なんですけど。
たた

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