とむ

トイ・ストーリー4のとむのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

開幕早々の過去編…
おもちゃというものがそれぞれ抱える価値観を示唆するアバンタイトル…
タイトルが表示されてからのアンディ→ボニーへのウッディ継承の儀…
流れるように美しいストーリーテリングに冒頭から暑くなる目頭…

と思ってたら行きなりボニーがウッディのバッジをブチーッ!!
そのバッジをジェシーにペターッ!!
そのままウッディをクローゼットにポイーッ!!
エエエエエエエエ!!?!?!?!?


いやね、
「子供なんだから」ものに飽きがくるのはしょうがないと思うんです。
特にボニーは女の子。
男の子が遊ぶように作られたカウボーイのおもちゃよりカウガールやふわふわの人形の方がそりゃー思い入れ深くもなるでしょう。

ただこの物語、ボニーがわがまま少女で、物語的にフォローされることなく終わってる。そこが問題だと思います。
あんだけのドラマがあったトイストーリー3のラストを観てたらこの展開には疑問符を浮かべざるを得ないでしょう…
なんでボニーにヘイトを向ける方向に脚本的に舵を切ったのかちょっとよくわからないです。
アンディとの約束は一体なんだったのか。


というか、この映画全体的に人間側に対するフォローがなさすぎる。
アンティーク屋の孫娘を物語的にマイナスな立ち位置のキャラに立てた意味とか、
射的屋さんの店員さん、別に仕事してるだけでそんなにズルとかしてねーんだから悪役っぽく描くのかわいそうだろとか、
ボニーのお父さんがひたすら受ける受難であるとか…
「パパがついに刑務所行きだ!」
いや、面白くないよそのギャグ…


っていうか、単純計算で今回3つの話が並行して進むんですよ

・ウッディがボーと同じように「家族」から独り立ちすることを決意するまでの話
・フォーキーが自らをおもちゃと認識するまでの話
・アンティーク屋さんの女の子人形(名前忘れた)が自分の居場所を見つけるまでの話

それらが全ッ然うまく噛み合ってない。
女の子の人形も行きずりで持ち主見つけてぱっぱと解決させたようにしか見えないし。
なんなら今回はフォーキーの話だけに注力して描けばいいのに…
いつの間にかポジティブな感じになってるし。


極め付けはウッディの巣立ちの雑さ。
あれはいくらなんでも酷すぎる。
「昔はバリバリの働き手だったけど、
30代も半ばになったタイミングで部署が異動になり、なんとなく仕事を任されづらい環境に行ってしまったサラリーマンが、
昔の同僚がフリーランスになって働いてるのを見て、『いいなー俺も独立するかー』ってノリで転職する話」
って感じ。

これウッディが独立するにあたって2と何が違うの?
あの時はバズとか周囲にボロッカスに言われてたよね?
なんで今回はみんな「いってらー^^」ってノリで送っちゃうわけ?

ちょっと納得がいかないっすね…
そして最後までウッディが居なくなったことに気がつかないボニー…


あとボニーの幼稚園の話は結局なーんも解決してないよね。
友達に挨拶しても返されないような環境で、彼女は一人でおもちゃを作ってるわけだ。

ふーん。
大衆向けエンタメとして、
彼女のその後はその着地でいいんだ。
ふーん。
ふーん。

まぁ、別に一人で何かする人を否定するわけじゃないんですけどね…


と、まあこのように全体的に話の着地点が雑。

シチュエーションに関してもせっかく旅行先を舞台に描かれてるのに、
「キャンピングカー」
「停車した遊園地(意外と小さい)」
「アンティークショップ」
っていう隣接した空間しかメインで出てこないから、外なのにものすごい閉鎖された物語に見えるんですよね。


正直事前から賛否両論あるのは知っていて、
僕も観に行くまでは「まぁ1〜3はそれとして完結してるし、別物として観るスタンスでいけば結構面白いでしょ〜」と思ってたんですよ。
言うてディズニーだし。

関係なかった。
一つの作品としてこれは酷すぎる。
それにプラスして1〜3を台無しにされたって言う人がいるのも大いにわかる。
かなりがっかりした。
っていうか、正直観てて辛かった。

ウッディとバズも離れちゃったし、続編が作られることはおそらくなさそう。
まあ、無理くり「ウッディ、大変だ。手を貸してくれ」って台詞で再度集結することくらいいくらでもできそうではありますが。

多分もう観ないと思う。
やっぱ3で完結と思った方がいいね。
残念。
とむ

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