あーさん

トイ・ストーリー4のあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

さすがピクサーの繰り出してくるキャラクターは予想外!
バズやジェシー、今までのウッディの仲間のおもちゃ達も登場するけれど、新キャラクターにフォークから作られたフォーキー、移動遊園地で出会うかわいいのに腹黒?でも楽しいダッキー&バニー、アンティーク・ショップ"セカンド・チャンス"で誰かに買われるのを待ち焦がれる人形ギャビーギャビー(かなりホラー・テイスト含む笑)、スタントマンのカブーン(カッコつけ過ぎな彼は前作のケンのよう笑)、そして一度は別れてしまった磁器製の人形ボー・ピープが男前になって帰って来た!
皆それぞれ個性的で、それぞれ違う生き方をしてきたおもちゃ達。
ウッディは外に出て初めて、今までの仲間達と違う価値観を持つおもちゃに遭遇する。今度の仲間たちは、明らかにいわゆる"良い"とされる価値観とは別のアウトローなベクトルで生きている。
戸惑い、そして果たして自分の価値観が正しいのか、心に問いただすウッディ。。

これまでの安定の世界観をグラグラと揺るがす物語が始まった!



それにしても皆さんのレビューを読んでいると、改めてトイストーリーを愛する熱烈なファンが多いことを実感する。熱い!

以下、自分語りがお嫌いな方はご遠慮いただいて、、
私の個人的な感想にお付き合い下さいm(_ _)m

私は多分そこまで強くおもちゃに思い入れはなく、時が来たら卒業するものだと思っていた(但し大のお気に入りのタヌキのぬいぐるみだけは大人になってからも大事にしていた…!)。
というのも自分は4人姉妹。同性のきょうだいだから、おもちゃもどんどん下にお下がりになっていく。
余り抵抗がないのは、その為もあるかな。ずっと同じ家の中にはあるわけで。だから自分だけのおもちゃ、という感覚は先のタヌキのぬいぐるみくらい。沢山あったぬいぐるみは私が大人になった時、9つ離れた一番下の妹の"救護センター"(行き場をなくした人形達の収容所らしい)に引き取ってもらった。おもちゃの気持ちなんて考えたこともなかった。。
アンディは他に男の兄弟がいないから、お下がりもなくてウッディとの関係が特に濃いのだろうな。
(孫が使うかも、なんて現実になるかわからない先の事を考えて、プラレールとか息子たちのおもちゃの方が手放せないでいたりする。。笑)

私が小学6年になったある日、2つ下の妹がいつものように"リカちゃんごっこしよう!"と言ってきた。私は何故か急に潮時だと感じ、"もうリカちゃんはしない" ときっぱり断った。妹がどうしていいかわからず、とても悲しそうな顔をしていたことを思い出す。。今から思えば、あれは成長した私のリカちゃんとの決別だった。

話は少し飛ぶが、不惑の歳になると本当に惑わなくなるのかと思っていたけれど、実際あまり惑わなくなったと思う。良く言えばポジティブシンキング、悪く言えば諦めの境地。。笑
知命ともなれば、更に自分の価値観に揺るぎがなくなってきた気がする。
少し前まで息子二人で娘がいないことがさみしくて、事あるごとに娘がいる人のことを羨んでいた。
でも、そんな'無い物ねだり'したってどうしようもないことに最近ようやく気づいた(女の子のネコを飼い始めたから気が済んだのかもしれないけれど…)。
息子だって捨てたもんじゃない!
色々心配し過ぎて白髪はどんどん増える一方だけれど、でも私はこれで十分なんだ!と遅まきながら思えるようになった。

こうだったらいいのに、、という思いは、人を囚われの中に閉じ込めてしまう。
そして、新しい一歩が踏み出せなくなる。
今をちゃんと楽しめない。。

おもちゃだけでなく、人生は出会いと別れを無数に繰り返すもの。
自分を支えてくれていた物や人と、一定の期間を経てそこから卒業し、その先のステップに進む。
新しい世界に足を踏み出す。

別れを言う方も言われる方も、悲しいし、さみしい。。

でも、それが人生。

時間が経てば環境も変わり、必要だったものも必要でなくなる時が来る。

子育てや恋愛、結婚とも似ているのかな。

終わりが来ているのに、しがみつこうとするのは、やっぱりなんか違う。
その先にある新しい可能性を信じようよ!

何が言いたいのかと言うと、、
ウッディはアンディの次の持ち主のボニーに必要とされなくなってしまった。
それでも、ボニーのピンチとあらば身を呈して尽くすウッディ。切ないくらいに。。
フォーキーというボニーが作った手作りのおもちゃに対しても、こうあるべきだ!と教え諭そうとする。廃品から作られた為、すぐゴミ箱に行きたがるフォーキーは、自分なんて所詮ゴミだ、と思っている変わったヤツだけれど、でもそれは悪いことなのだろうか?
自分の任命を果たしたら、それで終わり、は悪いこと?
ウッディは一体何を守ろうとしてるの?

"もう、俺にはそれしかないんだ!!"

この叫びが、その全てを表していた。

もう必要とされていないことを認めたくないから、躍起になってボニーのために尽くそうとするウッディ。
もう一度、振り向いてよ!ボニー!
あの保安官バッジをつけていた、みんなのリーダーだった頃に戻ってよ!

でも、それは、、多分無理だろう。

ボニーは成長して、新しい世界に飛び出したのだ。
それを支えるのは、今度はフォーキー。

あの時、ウッディがもう一つの方の選択をしていたら、、

ない、それはない。

もう振り向かないと決めたんだ。
ボー達と生きると決めたんだ。

私はその選択を支持するよ!

ウッディの新しい人生。

いいんじゃない?

何が待っているのか?
ワクワクするね!

新しい仲間もいるし、ボニーの所にはフォーキーもバズもジェシーもいる。大丈夫!

私はウッディの大きな決断に、何故か子離れをする親の気持ちを重ねて、切なく、でも清々しい思いで胸がいっぱいになるのを感じていた。。

そして、とても前向きで力強い、新しいトイ・ストーリーの始まりを予感した。


大好きな作品になりました!!




*とりあえずこの夏実家に帰ったら、タヌキのぬいぐるみ、タンちゃんの安否確認をしようと思っている。

もしかして、タンちゃんはどこかに旅に出てしまったかもしれないなぁ。。

でも、どこにいても元気でやっていますように。。
あーさん

あーさん