シンタロー

影の車のシンタローのレビュー・感想・評価

影の車(1970年製作の映画)
3.7
野村芳太郎×松本清張×岩下志麻によるサスペンス。旅行会社に勤める浜島幸雄は、笹山団地で結婚10年目になる妻と二人暮らし。妻は趣味と近所付き合いに忙しく、子供にも恵まれず、平凡な毎日を過ごしていた。ある日会社帰りのバスの中で、中学時代を千倉で共に過ごした小磯泰子と再会する。泰子は4年前に夫を亡くし、6歳の息子・健一と二人暮らし。保険の外交員で生計を立てていた。互いに急速に惹かれ合う二人だが、息子の健一は一向に浜島に懐こうとしない。そんな健一の姿に、浜島はふと少年時代の記憶が甦り、二人の関係に思わぬ影を落としていく…。
序盤不倫メロドラマかよ…って観てたら、子供が自分の命を狙ってるんじゃないか、という妄想に取り憑かれ出して俄然サスペンス。さすが清張先生です。妄想の原因と、子供時代の潜在意識の関係がなかなかおもしろかったです。下手なんだか上手いんだか、よくわからない子役の演技も、不気味さを演出してました。あと、この時代の日本の街並みや女性のファッション、家の中の家具や日用品等々、興味深くみせてもらいました。
主演の二人、美男美女ですね。これでもか、ってラブシーンの多さでしたけど、なかなか画になってたと思います。加藤剛は、目鼻立ち、唇の厚みに品と色気があって、イイ男だなぁ。スーツも和装も似合い過ぎ。正直芝居はあまり上手でないと思ってしまったけど、後半妄想に囚われ、追いつめられてからは熱演でした。エキセントリックな役の多い岩下志麻にしては本作割と普通。そしてやっぱり美人。母がお志麻さんの大ファンだったので、コレクションが多く、もう少しいろいろ観ようと思ってます。
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