トシオ88

影の車のトシオ88のレビュー・感想・評価

影の車(1970年製作の映画)
3.6
松本清張原作「潜在光景」をベースにした作品。昭和45年に上映。東京郊外の公団団地に暮らす生真面目なサラリーマン役の加藤剛が、偶然通勤のバスで出会った幼馴染の岩下志麻との不倫に溺れるが、やがて冷たい瞳を光らせる岩下の息子(ジャケ写で右端に立つ読売ジャインツの野球帽を被った少年)に殺意を抱かれているのでは…と思い…そして🙈😨。

若き岩下志麻の超絶美貌を持つ未亡人に、「すき焼きでも❤️」なんて、会社の帰り道誘われたら、万難を排して行ってしまうのは男の哀しいサガと言えるだろう😭。その後「すき焼き」だけでない関係にズブズブと嵌まるのも「うんうん」と頷いてしまうけど、実は生真面目加藤剛の過去には、どす黒い記憶が眠っており、岩下志麻の息子健一の、自分に対する目に見えない苛烈な殺意に対して、自身の過去の罪の亡霊も混じり、次第に心が不安定になっていくのもよくわかる😨。 
殺鼠剤入り饅頭やプロパンガス密閉などを喰らい、健一に殺されると怯える加藤剛は、やがて終幕近く思わぬ地獄に突き落とされる!そして岩下志麻の絶叫☠️。

時々挿入される加藤剛の心象風景が、ザラザラとした特殊効果を用いて描かれているのが印象的。そして清楚な美貌でありながら情熱的な岩下志麻に対して、加藤剛の妻役の小川真由美がいかにもありがちな現代の団地妻役を好演。そして健一役の子役はなんだか小さい蛭子能収氏みたいに、考えている事が不詳で不気味っス。そして何よりも昭和45年当時の東京の原風景を様々な観点から、フイルムに残している点でも貴重な作品と言える。
小川真由美が団地妻の友人たちと、シャロンテート事件や3億円事件について声高にお喋りするのが、時代を感じさせる🎬😃。
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