大傑作「きっと、うまくいく」の監督主演コンビの新作となれば、観ないわけにいかないでしょう!
前作もこちらの所謂ボリウッド、マサラムービーの先入観を軽やかに乗り越えてくるエンターテイメント、且つ鋭い批評精神の光る映画でしたが、本作のテーマはなんと「宗教」。攻めてます!
インドという国でなくても、とてもセンシティブな題材ですが、主人公PKの無垢な視点から宗教の矛盾や欺瞞を笑い飛ばしながら暴いていく展開は痛快です。
しかし、根底には「神」という存在と「信じる心」というものに対する誠実な思いが起点にある為、決して不快に感じさせない。
そして、PKの言うところの「かけ違い」とは、単に宗教的な意味合いに限らず、人と人の繋がりに対する根源的なステイトメントである事が浮き上がってくる、、、ってお見事。
真っ当なメッセージを笑いや涙を通して、説教臭くなく、観客を楽しませながら届ける。毛色は違いますがピクサーのアニメや「ズートピア」にも通じる、個人的には、これぞ「映画」だと思います。
御年50歳(!!)のアーミルカーンの宇宙人ぶりも見事ですが、何はともあれヒロインのアヌーシュカ・シャルマでしょ!!
ハート、撃ち抜かれます。
ふたりの淡い恋物語。
ベタですが、泣かせます。
SF、ロマンス、社会派ドラマ、コメディ、そしてミュージカル!!
サービス満点過ぎな一本。