ろく

幕が上がるのろくのネタバレレビュー・内容・結末

幕が上がる(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

監督が本広克行なんでどうなることかと思ったけど、(「UDON」や「踊る大捜査線シリーズ」「サマータイムマシンブルース」など僕は納得できない作品が多い)なかなかどうして見れるものに仕上がっていた。これはアゲ。

見ていて思ったのは「チアダン」などと違い(「チアダン」好きすまん)無駄な感動レイプ作品にはなってないこと。もう最後先生なんか泣いてしまうとほんと勘弁してくれってなってしまう。地に足つけた感じの作品なんでほっとする。おそらく平田オリザが原作だったというのもあったのだろう。しっかりと「高校演劇の世界」を描いているのが気にいった。

特に黒木華演じる先生の役には納得いくとこが多い。世の中「それは、無責任」なんていう人もいるけど、まず自分を大切にするべきだと思う。先生が「殉教者」である必要はないんだよ(と僕も最近よく思っている)。「やれること」をやればいいんだ。

モモクロの5名もしっかり演じていた。このころのあーりんは信じられないほどぷくぷくだけど、それはそれでいいんだよ。育ちざかり食べ盛りなんだから。

演技はどれも下手ではあるけどそれもあまり気にならない。百田もしっかり頑張っているじゃないか。ちょうど同世代の映画だからだろうか気負いなくできているのが気にいった。

ラストにいくあっけなさも好きである。これはやはり平田オリザが監修したからかもしれない。別に結果なんか残さなくてもいい。別に全国なんか制覇しなくてもいい。それよりも大事なのは今を生きることなんだ。その点でも嬉しい作りになっている。結果について云々言わないのは平田オリザなりの「優しさ」かもしれない。この作品では多くの高校生が演じている(現役演劇部のみなさん)。そこに投げかける視線はあくまでフラットだ。

※別の見所としてまだ売れてない吉岡里帆や伊藤沙莉、芳根京子まで出ている。ちょっとしたウォーリーを探せ状態にもなってます。
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