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グッド・ストライプスのペインのレビュー・感想・評価

グッド・ストライプス(2015年製作の映画)
4.1
"お父さん、絶倫じゃ~ん!"by緑

昨年『あのこは貴族』が大評判を呼んだ(※私的2022年邦画ベストの1本でもある)岨手由貴子監督の前作にして商業長編デビュー作。

予期せぬ妊娠から結婚を決意した破局寸前のカップル(※菊池亜希子さんと中島歩さん)が、結婚準備を進める中で初めてお互いのライフ・スタイルや価値観の違いと真剣に向き合うさまをリアルというよりはある種ほのぼの、どこか牧歌的に描く。

岨手由貴子監督のインタビューを読むと、脚本の第一稿では"皮肉っぽさ"と"コミカルな要素"の比重が大きかったそうだが、監督自身が本作製作の最中に結婚されたこと等が反映され、完成したものにはとても温かみがある←(※皮肉強めな感じもそれはそれで観てみたさありますが)。

また菊池亜希子さんが体現する"緑"のキャラクターも愛らしく、中島歩さん演じる"真生"の優柔不断で気弱な感じも絶品。特に菊池さん演じる緑のキャラクター像は、あからさまに強気でグイグイ引っ張っていく感じではなく、温厚でありながら内に頼もしさもある感じがとても良かった←

中盤、真生が"何で女の人ってみんな脚に変なアザあるんだろ"と吐露していたのにはとても共感するし、また、後半とあるシーンで真生が緑に"いつも自分の身の回りには期待していることと反対のことが起こる"と悩みを打ち明け、それに対して緑が"大丈夫だよ、私には何も特別なことなんて何も起こらないから"と励ますシーンは特にグッときてしまった。
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