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グッド・ストライプスの&yのレビュー・感想・評価

グッド・ストライプス(2015年製作の映画)
3.5
【2015/6/1:新宿武蔵野館】
ストライプス=何もかもが平行線、なマンネリカップルが、妊娠を機に「流れで」結婚…「結婚=勝ち組」ではない女の子の結婚話ってことで、10年くらい前の自分を思い出すようでもありテーマ自体は好きなのだが、もっと抉られる話を期待してたのでちょっと物足りなかった。

宣材にもある結婚式シーンで終わることからもこの話のメインは結婚であり、妊娠はただのきっかけにすぎないことは理解できるが、それでも主人公たちも監督も妊娠については最後まで他人事なのな、って印象が残った。緑とは対極の保守派お姉さんキャラもただ単にヤな奴すぎて、身内を晒すことのイヤさってこういうことじゃないだろ(もっと「良かれと思って〜」的なウザ刄でしょ)とか、恥部であるはずの中学時代の写真はもっと死ぬほどダサいバンドTとか着せないとダメだろ(これじゃ普通にカッコ良いよだって菊池亜希子だもん)と思ったり。そもそも主人公2人が全然「ストライプス」に見えなかったのは、わたしが歳食って若い子ってみんな一緒〜〜に見えるからなのか?!?!

とはいえラストには、あの不機嫌な冒頭のシーンに始まり、結婚相手が自分とは全く別の世界に生きた人である片鱗を見つけてものすごく不安になったり、でも、変なアニメを観る変な彼女だけど同じ方向さえ向いていれば安心を与えあうことができるんだとか…諸々を経てよくここまできたなあと、ふたりのグッド・ストライプスっぷり祝福したくなったりもした。
「荻窪って感じの髪型(最終的には銀座まで行ってほしいとかマジ余計なお世話だよ死ねよお前と思った)」とか、10代の時に大枚はたいて買ったであろうヴィヴィアンのヨレヨレカーディガンとか、カセットテープとかの小ネタにも笑わせてもらいました(エクソシスト笑)。

タイトルのフォントが、いかにもイマドキな女子が想像するブルックリンのカフェメニューみたいなフォントで、こういうのはあとあと恥ずかしいぜよ…などと老婆心ながら思ったのですが、そもそもこれはイマドキ女子のイマドキ映画なのだね。
わたしはこのテーマ、とても普遍的なものと受け取ったけど、監督はそんな気まったくなく、今っぽいカップルの話を今っぽく切り取りたかったのかも。そう思うと、感じてた違和感全て合点がいった。

あと、臼田あさ美は正義。
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