デニロ

玄海灘は知っているのデニロのレビュー・感想・評価

玄海灘は知っている(1961年製作の映画)
3.0
変な画面で観辛かった。

冒頭の船が玄界灘を航行しているんだと思うけど、後にも先にも海のシーンはここだけ。主人公が問題児だという説明が入る。

朝鮮から名古屋に入営した主人公は一高を出ているインテリで、古参兵の気合い入れの理不尽さに異議を申し立てたりもするが、却ってボコボコにされてしまう。踏んだり蹴ったりだが、一高の先輩には可愛がられる。先輩の姪に見初められ、日本ではお客様のお背中を流す習慣があるんです、等と言って観客を大笑いさせる。俺も、俺も!!母親に窘められるもいつしか子を宿していく。日本の男は粗野で野蛮だが、女性は大和撫子に見立てている。脚色、監督の金綺泳の日本に対するイメージはこんなところだったんだろうか。1919年生まれと聞くので日本人の姿を近くで観ていたのだと思うけど。

『下女』と並ぶ金綺泳の代表作だそうだけれど、ストーリーはともかくしぶとい絵作り、粘り強い演出を垣間見ることはできる。ラストシーンはわたしの映画的記憶から呼び覚まされるのは『ロッキー』です。

1961年製作。
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