たまお

ナイトクローラーのたまおのレビュー・感想・評価

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
4.0
私の最も愛するハリウッド・スター、ビル・パクストンが出ているというのに公開時観に行けずようやく鑑賞。あ、主演はジェイク・ギレンホールです。

アカデミー賞脚本賞ノミネートだけあって、すごくよく出来たキャラクターとお話ですね。ぐいぐいと引き込まれて、最後までまったく緊張感が途切れない大変面白い映画でした。

ですがねえ…
主役のキャラクターがとにかく胸糞すぎる。いやそれだけよく出来ているってことなんですけど。
ひょんなことからパパラッチ(主に事件・事故系の)となった主人公は、いい歳だけど働いたことがない男。でもネットで蓄えた知識だけはある。この男がもう決定的に人間としての何かが欠落しているんですよ。「他人」に対して、存在も命もまったく価値を感じていないような。普遍的かつ現代的なモンスター。

そんな彼は持ち前の知識と頭の良さでみるみるうちに成功し、業界でのし上がっていきます。有無を言わせぬ存在感(ジェイクまじで熱演…目が完全にやばい人のそれ)で、ある種ダークヒーローみたいに描かれてます。でも業界何十年のベテランにネットで得た知識でドヤ顔しちゃうところとか、たぶんいい大人だったら「あ~いるねこういう若い子」って思うんじゃないでしょうか。少なくとも私はそう思いました。古い人間なんでしょうね、こういう人間にまったく魅力を感じないし、嫌悪感しか無い。

なんだかよく「タクシードライバー」と比較されてるようだったのですが、デニーロにはこんな嫌悪感なかったんだけどなあ。私が年食ったってことかしら。
なんだか一見ぼろくそな感想に見えますが、傑作だとは思います。私が愛せないタイプのお話なだけで…。

脚本・監督ともにダン・ギルロイ。脚本では「落下の王国」「リアル・スティール」「ボーン・レガシー」などのヒットを飛ばしてる方ですが、これが初監督?だとしたらすごい。そして嫁が今作にも出ているレネ・ルッソというのもすごい。美しいBBAで好きです。

そしてわたくしのビル・パクストン。今回はもみあげ&ヒゲ&ビール腹なパパラッチという善人ぽくない役でしたが、主役のジェイクがまあ悪の権化みたいな役だったので、相対的にいい人に見えたような気もします。(いやきっと中の人もめっちゃいい人のはず)
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