エンポリオ

ナイトクローラーのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

私たちの求める真実のようにように彩られた物語。
フリーランスのパパラッチが「のし上がっていく」お話。カメラが写す映像の出来栄えだけを念頭に置くパパラッチのルイスは後追いで駆けつける最前線では満足できなくなり、真実と呼ばれる物語を仕立て始める。
情報に埋もれる現代社会への警鐘を鳴らす社会派映画。間口の広がりすぎたメディアを見つめ直す機会を視聴者に与えるような姿勢が、物語全体を貫いている。言うまでもなく、数字が全ての評価基準となってしまっているメディア業界への鋭角な指摘が作品の表面を覆っているが、それを享受する側、私たち一般市民の大多数、への必死の警告をも内包しているように感じた。あくまで人々がメディアに求めるものがテレビやパソコンを通じて届けられているのが現状であり、虚実織り交ぜられたような物語や、「特ダネ」を求めている人々の存在のためにメディア界での不毛な競争が行われてしまっているのではないのだろうか。直接私たちに投げかけられた問いがあったように思えた。
所々、矛盾しているように思えてしまう点や都合の悪い箇所も見受けられたように思えるが、痛烈なメッセージを込めつつ引き込まれるような物語に仕上がっている秀逸な作品という印象を受けた。
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