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とうもろこしの島

とうもろこしの島の作品紹介

とうもろこしの島のあらすじ

ジョージア(グルジア)と、ジョージアからの独立を主張するアブハジアは、1992年以降、激しい戦争状態にあった。両者の間にはエングリ川が悠々と流れている。この川は春の雪解けとともにコーカサス山脈から肥沃な土を運び、中洲をつくる。両岸で兵士がにらみ合い、銃弾が飛び交う中、アブハジア人の老人と孫娘は、昔からの風習のとおり、今年も中洲の小島に小舟で渡り、小屋を建てて、土を耕し、とうもろこしの種をまき、苗を育てる。戦闘は悪化し、ある日、傷を負った若いジョージア兵がこの島へ逃げこんでくる…。深い森と大河の悠々とした流れ、ときおり聞こえる銃声、とうもろこしを黙々と育てる老人と孫娘――セリフを極力抑えて、大自然のめぐりと人間の営みを対比させ、戦争の意味を問う寓話的な傑作。

とうもろこしの島の監督

とうもろこしの島の出演者

原題
Corn Island/Simindis kundzuli
製作年
2014年
製作国
グルジアチェコフランスドイツカザフスタンハンガリー
上映時間
101分
ジャンル
アクション

『とうもろこしの島』に投稿された感想・評価

kazu1961

kazu1961の感想・評価

4.0
「とうもろこしの島」
2016/9/17公開 ジョージア,チェコ,フランス,ドイツ,カザフスタン,ハンガリー作品 2017-72

「みかんの丘」同様、こちらも素晴らしい傑作でした。
ほとんどセリフがないにもかかわらず、カメラワークと風景の変化、人の出入りを繰り返すという映像のみで物語を語っていくその映像表現の原点を突き詰めた迫力に圧倒されます!
監督はギオルギ・オヴァシュヴィリという人です。反戦映画であり、日常の普遍さを描いた作品です。なにが起きても日常は繰り返されるそんなメッセージでしょうか?ラストの人物が誰かによってその解釈も変わるかもしれませんね。

紛争状態にある2つの地域の間で畑を耕す老人と若い孫娘の日常を最小限のセリフで描き、大自然の厳しさや戦争への批判を訴えた人間ドラマ。チェコのカルロビ・バリ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞し、米アカデミー賞の外国語映画賞ジョージア代表作品にも選ばれた。2014年・第27回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門では「コーン・アイランド」のタイトルで上映された。
YYamada

YYamadaの感想・評価

3.8
佳作!傑作!【外国映画のススメ】

◆製作国: 🇬🇪 ジョージア (旧グルジア)
◆製作年: 2016年
◆ジャンル: 「人間ドラマ」

〈見処〉
①戦火のなかの人間らしい生活
・現在も続くジョージアとアブハジア自治体による内戦下の1992年。両陣営の境界を流れるエングリ川は、洪水による肥沃な土により、毎年小さな中洲を作られる。
・アブハジア人である老人の農夫は今年も中洲に移り住み、孫娘とともに静寂を切り裂く銃声のなか、大自然を開拓し、生活の糧「とうもろこし」を得る姿を通じ、人生の意味を問いかける。
・普遍的な「人間らしさ」を描く佳作。

②映画作品として
・セリフは極めて少なく、美しい風景映像と自然音を中心に添えて、大自然の壮大さと狂暴さを描く。
・戦時下を舞台としていた作品ながら、戦闘シーンを描いておらず、銃声のみで紛争下の生活であることを表している。
・ワイドショットによる風景撮影がとにかく美しい。また、ラストの自然との対峙シーンは非常にダイナミックである。水嵩の増えたシーンは、どのように撮影しているのかわからなかった。

③ローカル性を学ぶ
・ジョージアはコーカサス山脈南側、
黒海とカスピ海の中間に位置する小国。日本では大相撲の元大関・栃ノ心の出身国として認知されている。
・周辺は世界で最も民族的に多様な地域。1991年のソ連崩壊に伴い、独立を果たしたジョージアだったが、ソビエト共産党が抑圧していた民族問題が、ソ連崩壊にて表面化。アブハジアがジョージアから独立を求めて紛争状態に陥った1992年が本作の舞台である。
・作中に「ここは 誰の土地?」「耕す者の土地だ」の台詞のとおり、古代文明から続く氾濫農耕として、アブハジア人はエングリ川にて、水浸しになった農地を諦め、新しくできた中洲でとうもろこしを作る習慣があったそうだ(現在は不明)。

※本作はフォロワーのmaroonさんに紹介いただき視聴しました。
いつもありがとうございます!
ソ連崩壊後、ジョージア(旧グルジア)からの独立を巡るアブハジア紛争を背景に、自然の摂理と人間の原初的な営みを捉えた寓話的作品。

極限まで台詞を排した本作は美しい"画"の連なりが我々に多くを語りかけます。

春になるとジョージア・アブハジア間を流れる川には雪解け水が氾濫し、堆積した土で誕生する肥沃な中州。
戦闘地域であるものの国土争いに侵されず、ただ自然の神秘のみによってもたらされたこの小さな中間地帯には、アブハジアの老人がとうもろこしを育てる農地としての役目を与えられます。

寡黙に一から小屋を建て、種をまき、孫娘と共に収穫までを過ごす日々。
銃声音や兵士のボートの往来を尻目に、この自然の恩恵による不可侵領地は聖域としての意味合いを強めます。

そこで焦点が当てられるのは少女が次第に一人の女性として成熟してゆく過程でもあり、その純粋無垢なエロティシズムを追ったカメラは確信的。
また初潮の暗喩だったり、人形との距離感は彼女の成長を表し、
特に少女の裸体が月明かりに照らされて沐浴する姿は大変清らかであり幻想的であります。

しかし突如、このノーマンズランドにジョージア人の負傷兵が舞い込むことで打ち砕かれる平穏。

負傷兵と少女との交流はビクトル・エリセ「ミツバチのささやき」を彷彿とさせ、
少女の成長のフォーカスは「青いパパイヤの香り」を想起させます。

季節が廻れば再び消滅する中州の一生。
そこで育まれるのは日々の糧である穀物の生育。
それらを介して描かれる女性の姿は生命の源を意識させ、
自然のサイクルの中で享受される"存在"の尊さはより戦争の無益さを強烈に印象付けるのです。

照明の主張が強すぎてどうしても気になっちゃうシーンはチラホラあったものの、
過酷な自然の恵みに生かされつつ、その中で小競り合う人間の小ささを諭す、大変含蓄に富んだ作品でした。

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