女優の夢を捨てきれない29歳女性が、帰郷して…みたいな話。
割と人生の一番怖い部分を突いてくる作品で好みだった。
ちょっとだけヤングアダルトっぽい。
蝶の一生が羨ましい、人間の人生も蝶の一生のように過ぎれば、悩みなど生まれないのに、って文章ってヘルマンヘッセだったっけ?
幼虫の頃はただひたすら成長の為に食べればオッケー、成虫になったら恋だけの為に生きればオッケー、というように、虫の一生が一つの節目ごとに目的も完全に定まるのに対し、人間の人生は生まれた時から死ぬまで常に選択と決断の繰り返し。
成長しきれていないのに行動しなければならず、成長しきったからと言って目的が定まっているわけではない。
みたいな、その辺の恐ろしさがすごく伝わってきてとてもよかった。
アル中カメラマンの「儲かるわけねーだろ」ってセリフも好きだ。
亀が可愛いかった。
プチアリ責めかわいそうだった。