まつむらはるか

スノーデンのまつむらはるかのレビュー・感想・評価

スノーデン(2016年製作の映画)
5.0
映画を観終わった後に私が最初にしたことは、自分のmacのカメラにマスキングテープを貼ることだ。


俳優目当てで特に事件について知りたかった訳ではなく、そういえばwebで記事を観たかなあ、と断片だけを思い出しながら軽い気持ちで映画館の椅子に座ったのだが・・・

今年入って1番の衝撃だ。この映画がとんでもないのは、これがSFではなく現実だということ。まだこの国を出たことがない私は海外映画をどこか素敵な遠い国と思っていた節があるのかもしれない、と今は思う。以前にもドキュメンタリーを観たり、ノンフィクション映画を観たことがあったが、そのどれよりもリアルだった。それは最新であるということと共に、スノーデンが現在進行形で今もなおモスクワに生きていてまだ若いということ、そして記憶に新しいニュースだからであると思う。これはまさに今最も観るべき映画だ!

そしてこの映画は、ノンフィクションからドキュメンタリーへと一気に変貌する。ラストのシーンにこの映画が映画たる凄まじい仕掛けが待っている。それは映画をスクリーンのこちら側で傍観していた私たちがスクリーンの向こうから『やあ』と声をかけられて初めて、観られていたのは私たちだったのだと気づくような、ショッキングで最高の演出だ。